さすらい先生のHappy Life

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【さる先生に学ぶ】「生もの仕事」と「乾きもの仕事」という概念

Twitter界でのインフルエンサーさる先生(@saruesteacher)の著書『全部やろうはバカやろう』を読みました。

 

どれも「そうそう!」と納得できるものばかりの中、私の中に今でも強いインパクトとして残っている考え方があります。

 

それが「生もの仕事」「乾きもの仕事」という考え方です。

 

この本を読んで以来、私はこの2つを大いに意識して仕事に向かうことができるようになりました。

 

今回、その2つの違いを改めて理解すること、そしてその先を考えてみたいと思います。

 

 

【生もの仕事とは】

「生もの」とは刺身や野菜など早く食べないと腐ってしまうもののこと。

それを仕事に置き換えると「早く処理しないと鮮度が落ちてしまう仕事」のこと。

 

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私は本書を読んで以来、以下のものを「生もの仕事」と捉え、早く処理するようになりました。

・成績や所見

今まで成績は「学期末にやるもの」というイメージで仕事をしてきました。

 

「この土日で所見やるぞ!!」

「この土日は一気に成績終わらせる!」

 

そんな仕事の仕方でした。しかし、

 

「この子の所見…全然書けない…」

「何で評価していいのか分かんない…」

 

そんなこともしばしばでした。

 

それもそのはず、所見を書こうにも何ヶ月もさかのぼって書くのなんてすごく非効率的に決まっています。

 

それなら、その都度、所見を少しずつ書き足していけばよいのだと気づかせてくれたのです。

 

道徳をしたらその日に数人書く。

ちょっとイイところを見つけたらその日のうちに書く。

 

そんな風にしていけば、書けてない子にも気づけるし、どんどん学期末に向けて仕事を減らしていくことができるのです。

 

「成績や所見は学期末にやる」という固定概念をぶち破ってくれました。

 

・出席簿

これも月末に健康観察の紙を見て、やっと仕上げていたというかつての私がいました。

 

しかし、それも非効率的です。

 

「欠席」「遅刻」「早引き」

 

それらがあった瞬間にパソコンに打ち込めばいいのです。

 

そんなのを打ち込むのなんて、ほんの数秒です。

 

その数秒のおかげで月末の記憶をたどる作業は皆無になりました。

 

「出席簿は月末にやる」という固定概念をぶち破ってくれました。

 

・家庭連絡

学校から保護者に連絡しておかないといけないことって結構あります。

 

そして、それらの大半は「先延ばしにすると面倒なこと」が多いです。

 

「勉強のこと」「生活のこと」「ちょっと複雑なこと」

 

それらは完全に生ものです。

 

「伝えといた方がいいかな?」と思ったら、即GO!ですね。

 

保護者からしても早めに連絡もらう方が嬉しいに決まっていますしね。

 

 

【乾きもの仕事とは】

「乾きもの」とはするめかつお節など保存がきいて長持ちするもののこと。

それを仕事に置き換えると「一気に終わらせておいてもあとから使えるもの」のこと。

 

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この「乾きもの仕事」を知ってから意識して仕事ができるようになったものは以下のものです。

・使用するプリント類

算数や国語、ワークシートなどのプリント類はいつ印刷したって同じ。

 

いつか使うものです。

 

どうせいつか使うものなのですから、早めに取り掛かって一気に終わらせることにしました。

 

特に算数プリントは必須。

 

授業の残り時間や宿題などで使えます。

 

その都度印刷しようと思うと、毎回問題集を探して、ページを開く手間もかかります。

 

一気に終わらせたらそれが一度で済むので、気持ちの部分だけでなく物理的にも時間短縮が可能です。

 

・週案や予定

これも、どうせいつかはやらなければならないものです。

 

と言っても週案は各週で予定も変わってきてしまうため、一気に終わらせることは難しいでしょう。

 

でも、毎週木曜や金曜になって焦ることなく、週の前半から少しずつ翌週に向けて準備を進めていけば、週の後半ではずいぶん楽になります。

 

このおかげで、自分自身も見通しを持って余裕のある先生ライフを送れるようになりました。

 

・提案文書

自分の分掌の提案もいつかはやらなければなりません。

 

私は今年、生徒指導主任と体育主任という大きな主任を兼ねているため、提案文書も多い多い…。

 

しかし、学期始めや思いついた時など、昨年のものを引っ張り出してきて今年バージョンに変えてしまいます。

 

内容の吟味や変更はその後のこと。

 

とりあえず、今年のものにしてしまうことで、一気に余裕が生まれてきます。

 

そのような余裕の中でこそ、意味・意義のある取組がなされていくのだろうと、最近あたらめて感じています。

 

【生もの仕事と乾きもの仕事を意識することで】

これらを意識することで、「早く帰ることができる」ようになるでしょう。

 

でも私は、この2つを明確化して仕事を行なっていくことの本質は「早あがり」にあるとは思っていません。

 

これらを分けて仕事をスピードアップしていくことの本当の効果、それは

・より本質的な部分に大事な時間を使うことができる
・生産性を上げることで教育の質を上げることができる 

というところにあると思っています。

 

大事なことは、子どもたちに「楽しい授業」「わかりやすい授業」を提供することです。

 

そこに集中できるように周りをスリムにしていこう、というのがさる先生の言われていることだと思っています。

 

そして、私はそう判断して自分の仕事をしています。

 

もっとこんな考え方を早くに知っておけばよかった。

 

今はそんな風に思います。

 

でも、「今日が人生で1番若い日」ですから、また前をみて明るく先生をしていきたいものです。

 

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