【実録】学級崩壊の全貌と未然防止のためのポイント
よく耳にする「学級崩壊」という言葉。
耳にしているだけで、決して自分ごとでは無いと思っていた「学級崩壊」。
そんな「学級崩壊」を私自身は経験しました。
私が担任するクラス、勤務する学校でのことです。
これは私の辛い過去であり、今もなお教訓として残っている貴重な体験でもあります。
学級崩壊が起こったら子どもや学校はどうなるか。
先生はどうなるか。
また、そうならないように何ができるのか。
私の経験、学びを公開したいと思います。
【全てはささいな出来事から】
私は5年担任でした。
そんな私のクラスに指導補助として入ってくださる教務の先生がいました。
その教務の先生は50代、男性。
その先生と私のクラスの女子の間にちょっとしたいざこざが起きました。
きっかけは本当に些細なことから
「教務の先生の叱り方が嫌だった」
そんな些細なトラブルでした。
そこからクラスの女子たちは教務を見たら小声で噂したり、露骨に嫌な顔を見せたりするようになりました。
私としてはそんな顔や態度をやめてほしかったのですが、指導補助に入ってくださっている先生なので、そんなこともなかなか言えずに月日が経ちました。
そうこうしている内に、クラスのやんちゃ坊主君たちも教務を嫌うようになり、それは次第に6年生にも波及していってしまいました。
【荒れた子どもたちの醜い姿】
高学年の過半数が特定の先生を嫌いになり、それを態度で見せ始めると本当に大変です。
あの先生が嫌い→先生たちが嫌い→学校が嫌い
そんな風に悪循環はどんどん増していき、しまいにはその先生の悪口を放送を使って言ったり、車にいたずらしたりするようにもなりました。
そんな風に心が荒んでしまった子どもたち。
担任である私の言うことも聞いてくれなくなり、休み時間が終わっても教室に戻ってきてくれなくなってしまいました。
・体育館の入ってはいけないところで堂々と遊ぶ
・放送室に入って勝手に放送を使い悪口を言って楽しむ
・授業時間になっても教室に戻らず学校をぶらつく
中には数人、私のことを気遣ってくれたり、真面目に行動してくれる子どもたちもいました。
でも、そんな状況では真面目な子どもたちに愛情を注いであげられる余裕などありませんでした。
【そしてどんどん病んでいく自分】
そんな状況を毎日目にしている自分自身がどんどん病んでいくのがわかりました。
具体的にはこんな姿となって現れてきます。
・子どもに会いたくなくなる
・怪我しない程度に事故に遭わないかと期待する
・休み時間ごとにタバコを吸いに行く
・食欲がなくなる
・給食の後には嘔吐する
・女子と話しができなくなる
毎日が絶望でした。
子どもがそんな風に荒んだ状況になるので、保護者も学校への不信を持ち、クレームが殺到するようになりました。
幸い、私への批判はなく、教務や学校全体への不満ばかりだったため、個人的には救われました。
毎日毎日、早く修了式が来て欲しい、とひたすらそれだけを考えました。
一刻も早くこの子どもたちと別れたい、それだけを思っていました。
なんで自分は先生なんかしているんだろう。
選ぶ職を間違えてしまった。
そんなことばかり思っていました。
【学級崩壊、学校崩壊の結末は】
結局、最悪の結末を迎えることになりました。
保護者説明会を開くことになったのです。
職員はスーツを着て並び、全保護者を前に謝罪しました。
それには教育委員会の役員も何人か同席し、大々的に行われることになってしまいました。
それ以後は教務は学校を休み、なんとか残りの日数を耐え忍んで1年間を終えた、というのが崩壊した1年間でした。
【学級崩壊から学んだこと】
今、改めて自分の目の前で沖田「学級崩壊」について振り返っています。
もう二度とあのような惨劇を起こしたくないと改めて思います。
そして、それを未然に防ぐためにできることとは何なのかを考えています。
①子どもとの信頼関係を確固たるものにしておく
全ての教育活動の基礎基本です。
これがあってこその教育であり、これがない教育はもはや教育と呼べません。
調教、しごき、嫌がらせ。
醜い言葉ですが、信頼関係のない教育はこのような言葉で表されても良いのではないでしょうか。
②教師不信につながる指導をしない
①とも密接に関わる内容です。
・嫌な叱られ方をした
・じろじろ見られている気がする
・あの先生に触られた
高学年になると意図していなかったようなことが、不適切な指導ということでやり玉にあげられることがあります。
低学年ならそうでなくとも、高学年を指導する際には日々注意を払う必要があるでしょう。
③良からぬ芽は小さいうちに積んでおく
・少しきつい言い方をしてしまった
・少し女子が気になる仕草をしていた
そんな風に気になったことについては、小さな芽のうちに積んでおく必要があります。
芽が大きく育ってからでは、もう手遅れです。
私はその惨事を目の当たりにしたのでよくわかります。
・あの時、子どもに一言謝っておけば
・少しの時間をとってじっくり話をしておけば
後悔しても遅いですから、日々「気になることは小さな芽のうちに」を心がけて指導するようにしましょう。
④アイメッセージで思いを伝える習慣を作っておく
子どもとの信頼関係を作る上で大切なのが「アイメッセージ」です。
「アイ」=「わたしは」という思いの伝え方を基本にしましょう。
「なんであなたはそんな風な言い方をするの?」
「そんなことをしてはいけないでしょう!」
これらのメッセージの伝え方は「あなた」を基本にしています。
そうではなく、
「そんな嫌な言い方をするのを聞くのは、先生は悲しいよ」
「そんなことをしてしまうのを知って、先生はとってもつらかった」
というように「先生は」という「わたし」を主語にした思いの伝え方をしましょう。
こうすることで、子どもは自分を大事にされているという風に思います。
これは親子関係でも同じです。
つい感情的になってしまいがちですが、冷静になって「わたしは」というアイメッセージを伝えてあげましょう。
今改めて、上記したポイントを気にして初めから指導していれば、あんな惨事は防げたのではないかと思います。
しかし、その「崩壊」を今、あからさまに示すことは意味のあることだと思っています。
・その解決策を考えることで私自身が同じ過ちをしないようにする。
・これを教訓にして、誰かの「崩壊」を防ぐことができるかもしれない。
こう考えて、今回は「学級崩壊」について書いてみました。
ぜひ、参考にしていただき、あなたの楽しい先生生活につながればと思います。
それではまた!